中間法人の広場

中間法人法について


立法化の経緯(概略)

 現行法上、公益(不特定かつ多数の者の利益)を目的とする社団・財団であり、営利を目的としないものは、所轄庁の許可を得て公益法人(社団法人・財団法人)となることができます(民法第34条)。

 公益法人は17分野に限定されます。ただし、市民の自由な意思による社会貢献活動(ボランティア活動等)を行う団体に関しては、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)が制定され、所轄庁の認証を得て特定非営利活動法人となる道が開かれています。

 他方、営利を目的とする社団は、商法または有限会社法の規定に従い、株式会社、有限会社等の営利法人となることができます。

 しかし、公益を目的とせず、かつ営利を目的としない団体(いわゆる中間法人。同窓会、業界団体、親睦団体等)については、法人となるための一般的な法制度がなく、法律の必要性が指摘されてきました。

 こうした中で、平成8年7月に与党行政改革プロジェクトチームが「公益法人の運営等に関する提言」を取りまとめ、平成8年9月には公益法人の設立許可及び指導監督基準が閣議決定されました。

 平成8年10月に法人制度研究会が検討を開始し、まず平成10年3月に公益法人の営利転換に関する報告書を取りまとめました。次に、平成11年9月に中間法人制度の創設に関する報告書が取りまとめられました。これをもとに検討を重ねた結果、平成12年2月に中間法人(仮称)制度の創設に関する要綱中間試案が作成され、平成13年1月には共同法人(仮称)制度の創設に関する要綱案(案)検討会議が設置、平成13年2月に共同法人(仮称)制度の創設に関する要綱が答申されました。

 これを受けて、平成13年3月に中間法人法案要綱が制定されました。この要綱は国会の審議の中で一部修正され、平成13年5月23日・平成13年6月4日に衆議院法務委員会・参議院法務委員会でそれぞれ附帯決議をうけて、平成14年4月1日施行されました。

17分野

 平成10年12月に施行された「特定非営利活動促進法」では12分野だったが、15年5月に施行された「改正 NPO法」で5分野(以下の12〜16)が追加され、17分野となった。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  5. 環境の保全を図る活動
  6. 災害救助活動
  7. 地域安全活動
  8. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  9. 国際協力の活動
  10. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  11. 子どもの健全育成を図る活動
  12. 情報化社会の発展を図る活動
  13. 科学技術の振興を図る活動
  14. 経済活動の活性化を図る活動
  15. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  16. 消費者の保護を図る活動
  17. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

「公益法人の運営等に関する提言」

 中長期的な検討課題として、「民法の見直しを開始し、準則主義による非営利法人の設立・廃止を可能にすることも含め検討する」旨の提言を含む。

公益法人の設立許可及び指導監督基準

 「既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第34条によることに限られたために公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする」旨の経過措置がおかれた。

法人制度研究会による検討

 それ以前には、昭和49年10月に法制審議会民法部会において検討が開始されている(その後中断)。60年9月には、公益法人の指導監督に関する行政監察結果に基づき、平成4年6月に中間法人制度の創設に関する検討を行うことが勧告されている。


法案に対する意見

「中間法人制度の創設(仮称)に関する要綱中間試案」に関する意見

公益法人制度改革(新制度の概要)に関する意見等の概要及び意見等に対する考え方について(抜粋)(8.57KB)

意見募集に対する意見の集計結果
法務省民事局参事官室(意見募集期間平成12年4月21日〜平成12年6月30日)
意見書
日弁連
(財)公益法人協会

今後の公益法人改革のゆくえ

行政改革推進本部事務局
公益法人制度の抜本的改革について
公益法人制度の抜本的改革に向けた取組みについて
公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)
PDF公益法人制度の抜本的改革の検討に向けた有識者ヒアリングの主な意見等
公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会について
公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針について
公益法人制度改革に関する有識者会議について
PDF非営利法人制度の創設に関する試案
公益法人の改革について
総務省
「公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針」について
「公益法人の営利法人等への転換に関する指針」について
(財)公益法人協会
改正公益法人指導監督基準Q&A

中間法人移行スキーム


中間法人はどの時点の計算書類から決算公告の義務が課されるのか(法人法第128条、整備法第2条、第17条第4項)
 平成20年12月1日以後に事業年度の末日が到来する事業年度に係る計算書類から対象となる。
 つまり、3月事業年度末の中間法人は、この事業年度に係る決算を承認する定時社員総会の終了後遅滞なく定款所定の方法で、決算公告をする必要がある。
 また、公告の方法は法定されたので、それ以外の方法を選択している法人や費用負担を考慮して公告の方法を変更したい場合は、この総会で名称の変更と併せて、定款の変更を検討することが適当である。その場合の登録免許税はかからない。(参考 『一問一答 公益法人関連三法』
名前の変更とあわせて、下記の事項を登記する場合も登録免許税は非課税です
 法人法施行日の属する事業年度終了後最初に招集される定時社員総会の終結時までに、定款を変更し、名称中の「有限責任中間法人○○○○」を「一般社団法人○○○○」に改めるとともに、併せて、代表理事、理事及び監事の変更登記の申請をする必要があります。決議後2週間以内に主たる事務所を管轄する法務局に変更登記をする必要があります。
 この場合の登記については、登録免許税は非課税とされています。
 なお、名前の変更とあわせて、下記の事項を登記する場合も登録免許税は非課税です。(根拠法 所得税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23号))
(登録免許税法の一部改正に伴う経過措置)第二十七条第2項第1号、第3号〜第5号
  • 主たる事務所の所在地における登記
  • 名称
  • 理事及び監事の住所の削除並びに代表理事の住所の追加
  • 法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定め
  • 理事会設置一般社団法人についての定款の定め
  • 会計監査人設置一般社団法人の定めの設置及びその会計監査人の氏名又は名称
  • 一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
  • 役員等の責任の免除についての定款の定め
  • 外部役員等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定め
  • 理事のうち外部理事であるものについて、外部理事である旨
  • 監事のうち外部監事であるものについて、外部監事である旨
  • 公告方法


  • 従たる事務所の所在地における登記
  • 名称
有限責任中間法人の定款の見直しのポイント
 法人法の施行により、存続有限責任中間法人の定款は、何らかの対応が必要となる。つまり、理事会設置型一般社団法人になるのか、理事会非設置型一般社団法人になるのかで対応が異なる。
《共通事項》
 平成20年12月1日に法人法が施行されたが、既存の有限責任中間法人は、その時点では何ら対応する必要はない。
 法人法の施行日に属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結時までに、定款を変更し、名称を「有限責任中間法人○○○○」から「一般社団法人○○○○」に改めるとともに、併せて、代表理事、理事及び監事の変更登記の申請をする必要がある。
 この登記は、決議後2週間以内に主たる事務所を管轄する法務局において行う必要があるが、登録免許税は非課税とされている。
 なお、名前の変更とあわせて、下記の事項を登記する場合も登録免許税は非課税です。
根拠法:平成20年4月30日公布 所得税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23号)(登録免許税法の一部改正に伴う経過措置) 第二十七条第2項第1号、第3号〜第5号
  • 主たる事務所の所在地における登記
  • 名称
  • 理事及び監事の住所の削除並びに代表理事の住所の追加
  • 法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定め
  • 理事会設置一般社団法人についての定款の定め
  • 会計監査人設置一般社団法人の定めの設置及びその会計監査人の氏名又は名称
  • 一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
  • 役員等の責任の免除についての定款の定め
  • 外部役員等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定め
  • 理事のうち外部理事であるものについて、外部理事である旨
  • 監事のうち外部監事であるものについて、外部監事である旨
  • 公告方法
  • 従たる事務所の所在地における登記
  • 名称
《各論》
 理事会非設置の有限責任中間法人の定款(法務省モデル)を使用していた場合に、施行後最初の定時社員総会の終結時までに名称の変更のみをすれば、ほぼ従来どおり運営ができる。
 また、監事非設置型一般社団法人となる場合は、同時に該当条文を削除し定款を変更する必要(監事設置の定めの廃止の決議)がある。
 なお、理事会設置型一般社団法人となることも可能なので、その場合は、理事、理事会の規定を追加修正して、定款を変更する必要(理事会の設置について定款の定めを置くこと)がある。PDF(比較表1(31.0KB))
 最後に 任意に理事会設置の有限責任中間法人の定款を使用していた場合では、なにもしなければ理事会設置型一般社団法人となることができないので、理事、理事会の規定を追加修正して、定款を変更する決議が必要(理事会の設置について定款の定めを置くこと)がある。
 また、理事会非設置型一般社団法人になるならば、施行後最初の定時社員総会の終結時までに名称の変更だけをすればよい。
 同時に、監事非設置型一般社団法人となる場合は、該当条文を削除し定款を変更する必要(監事設置の定めの廃止の決議)がある。PDF(比較表2(66.2KB))
参考 必要的記載事項や相対的記載事項のポイント
公告方法
 中間法人と異なり、貸借対照表等を定時社員総会終了後、公衆に公告する必要がある。したがって、公告についてその方法を場合によっては変更する必要が生ずる。例えば、法人の掲示場に掲示することもできるがこのときは、総会に提出したものを一年間掲示する必要がある。インターネットでは5年間掲示し、補完的な方法として、官報又は日刊新聞も規定する必要がある。
役員の任期
 従来は、理事は、2年又は伸長規定、監事は、4年又は伸長規定が認められていたので、定款の記載によっては、見直しが必要となる。
 つまり、2年、4年という確定の任期の記載の仕方は違法である。また、監事については4年を3年や2年に短縮することができる。
 いずれも、「選任後○年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 」という記載の仕方が必要である。
理事会の設置について定款の定めを置くこと
 理事会を設置しない場合は、複数の理事を置いた場合、ある理事に委任された事項を除き、理事の過半数の議決で意思決定を行う必要が生じる。この場合に理事会という機関が存在しないので、会議の招集は不要で書面による決議も可能だが、理事の過半数の議決が常に必要となる。
 一方、理事会を設置した場合は、理事の過半数の出席で、その過半数の議決で意思決定を行い、監事が監督機能として追加され、その代わりに社員総会の機能は制限できる。しかし、社員総会の招集の通知に、計算書類及び事業報告並びに監査報告を添付等しなければならない。
理事、監事の責任の免除について定款の定めを置くこと
[理事会 非設置型一般社団法人]
 理事会を設置しない法人で、複数の理事を置いた場合は、ある理事に委任された事項を除き、理事の過半数の議決で意思決定を行う必要が生じる。
 この場合に理事会という機関が存在しないので、会議の招集は不要で書面による決議も可能だが、常に理事の過半数の議決が必要となる。
[理事会 設置型一般社団法人]
 一方、理事会を設置した場合は、理事の過半数の出席で、その過半数の議決で意思決定を行い、監事が監督機能として追加され、その代わりに社員総会の機能は制限できる。
 しかし、社員総会の招集の通知に、計算書類及び事業報告並びに監査報告を添付等しなければならない。
外部理事,外部監事が負う責任の限度に関する契約の締結について定款の定めを置くこと
 外部の優秀な人材を役員として登用する場合、その責任を限定することが外部役員になろうとする者の判断の基準となる場合がある。前掲の規定により、理事会による決議で免責ができる場合であっても、当事者としてはその決定までは、心配であり、その点、責任免除の契約をあらかじめ結んでおけば、安心なことは言うまでもない。一般的な規定では、その契約に基づく賠償責任の限度額 は、金〇〇〇〇以上であらかじめ定めた額と法令の定める最低責任限度額との いずれか高い額となるので、役員報酬が無報酬の場合は注意が必要である。
大規模な有限責任中間法人の場合は、会計監査人の設置について定款の定めを置くこと
収益事業についてのみ課税対象とされる一般社団法人になるには
 剰余金の分配をしないこと、理事のうち特殊関係の理事は1/3以下にすること、残余財産の帰属に関する定款の定めを置くなど以下の要件が必要である。この場合は、その前後で、事業年度が区分されるので注意が必要である。
(非営利性が徹底された法人)
イ その行う事業により利益を得ること又はその得た利益を分配することを目的としない法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で 定めるもの(法人税法施行令第3条第1項)
(共益的活動を目的とする法人)
ロ その会員から受け入れる会費により当該会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で 定めるもの(法人税法施行令第3条第2項)
一般社団法人変更登記申請書
 様式については、事前に法務局でご相談ください。
《申請書作成上の注意》
名称………変更前の有限責任中間法人〇〇〇〇〇会という名称を用いなければなりません。
登記の事由………名称、代表理事、理事及び監事の変更として、総会を終了した日から2週間以内に主たる事務所の所在地で登記しなければなりません。従たる事務所の所在地においては,変更が生じたときから3週間以内に登記しなければなりません。
登録免許税………非課税
添付書類
  • 総会議事録………名称の変更を決議した総会議事録が必要になります。
  • 委任状………代理人によって登記を申請する場合には,代理権限を証する書面(委任状)の添付が必要です。