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  かつおぶし

カツオの写真

【カツオ スズキ目サバ科】

 

 和食の命といっても過言でない”だし”。鰹節からとっただしは芳醇な香りと濃厚なコクで、料理の味を膨らませてくれます。
 まずは、その原料であるカツオのことをちょっとお話しましょう。
 カツオは世界中の熱帯海域から温帯海域にかけ広く分布します。2月頃黒潮に乗って南洋から北上し、3月には九州・四国沖に達し、太平洋沿岸を黒潮に乗ってさらに北上します。
 この4月・5月に北へ上がっていくものを「初がつお」と呼びます。そして10月頃北海道に達したカツオは再び南下を始めす。この時期のものを「戻りかつお」と呼んでいます。
 春のカツオは成長期にあたるので、脂肪は少なく淡白な味わいで、秋の戻りカツオは、からだも大きく脂肪もたっぷりです。
 かつおぶしに使われるのは、体長40〜65cmほどの2〜3年魚が利用され、脂肪分の少ないものがかつおぶしに向いています。
 魚体の大きいものは芯まで乾燥させるのが困難で、また脂肪含有量の多いものを使うと、香り・味も乏しく出し汁も濁ったものになってしまうからです。

加工の違いから分けてみると


荒節の写真  カツオを原料として作られる節を本節(ほんぶし)と言います。加工の工程は、カツオの頭部と内臓を除去し5枚に卸し、湯で煮て 焙乾あん蒸 を繰り返します(=間歇焙乾”かんけつばいかん”)。
 この時かつおぶしの表面は、燻煙中の煙成分であるタールに覆われ黒く、ざらざらしています。これを 荒節(あらぶし)といいます。

裸節の写真  次にカビ付けをする為に、荒節の表面のタールを削り取ります。タール部分には抗菌性があり、これが除去されることによって、かびをはえやすくします。節の色は赤っぽく、この状態を裸節(はだかぶし)といいます。

枯節の写真  いよいよ最終段階のカビ付けです。鰹節に発生するカビは、鰹節優良カビと呼ばれるからだに無害のものです。このカビは、純粋培養されており、最初のカビ付けから人為的に行われています。 
 カビを付けることにより、カビが節の内部から水分を吸い上げるので、早く均一に水分を減少させることができます。また、節内の脂肪を水溶性の脂肪酸に、タンパク質をアミノ酸に分解し旨み成分を増すことができます。さらには、香味を与え節表面の酸化を防止する働きもあるのです。
 カビ付け、日乾、カビ落とし、放冷の過程を四回から六回繰り返し、鰹節は出来上がります。三回カビ付けした三番カビのものを枯節(かれふし)といい、四番カビ以上のものを本枯節(ほんかれふし)といいます。
 このようにかつおぶしは、カツオを切る作業からカビ付けまで4〜6ヶ月をかけて製品となり、重さは原魚の約6分の1になります。

形の違いから分けてみると


本節の図 亀節の図  ふつう、3枚に卸したあと、血合骨に沿って背側(雄節)腹側(雌節)の、2つに身割しますが、 小型のカツオは、3枚に卸した半身の状態でかつおぶしに加工されます。
 その形は平たく、亀の甲羅に似ていることから亀節(かめふし)と呼ばれます。
亀節(荒節)の写真 亀節(枯節)の写真  この亀節は、雄節と雌節がひとつになった状態で、夫婦一対を現していることから、かつおぶしが縁起物に利用されるようになったとか。勿論、亀節にも荒節とカビ付けした枯節があります。 

「かつお削り節」と「かつおぶし削り節」ってどう違うの???

 今では、パックに個包装された削り節が利用され、本節を削り器で削って使う人は少なくなりました。
 さて、品質表示を注意して見ると、かつおぶしには「かつお削り節」と「かつおぶし削り節」があることに気が付きます。さて、その違いは何なのでしょう。
 これは、JAS(日本農林規格)により定義されているものです。  加工の手間がかかっているかつおぶし削り節の方が、値段が高いですが用途によって使い分ければ良いでしょう。

削り方の違いは用途のちがい

                                                  
種 類 特 徴 用 途 種 類 特 徴 用 途
本削り
歯ごたえとコクがあり、香り高いもの だしまたは料理 花削り
本節を薄くソフトに削ったもので、 そのまま味わっても、だしにも可。花かつおと言われるもの 料理またはだし
絹削り
しなやかな口当たりに 薄く削ったもの 料理の彩りに 糸削り
一定の間隔に溝をつけた削り刃で 糸状に削ったもの 豆腐やお浸し等の和風料理に
厚削り
平らな削り刃で厚さ0.2mmを 超える片状に削ったもの だし専用 10〜30分じっくり煮出す 粉削り
きめ細かく粉状に削ったもの お好み焼き、ふりかけ等に

発酵食品!かつおぶしの旨みの秘密はイノシン酸

 かつおなどの回遊魚は、魚肉に活発な酵素を含んでおり、鮮度落ちが早い魚です。
 かつおの旨味成分であるイノシン酸は、生きている時は存在しません。しかし、死んでしまうと酸素が供給されない為、筋肉中の酵素がたちまち活動を始め アデノシン三リン酸を分解していきます。この自己消化の過程でイノシン酸は作られます。
 イノシン酸が最も多く作られている時が鮮度の一番良い時であり、この時期に魚を煮ることによって酵素の活力が失われ、最高の状態すなわち、旨味成分の多い状態を留めておくことが出来ると言うわけです。
 しかし、水分の多い煮たままの状態では細菌によってイノシン酸の分解が進み、腐ってしまうのでカビ付けの加工をして水分を無くしてしまうのです。まさにかつおぶしは魚の旨味をきっちり閉じ込める最善の製造方法なのですね。

現代人に欠かせないかつおぶしの栄養

タンパク質
 脳を活性化し肌や筋肉を強くする働きのタンパク質は100g中約77%、脂質は2.9%と高タンパク、低脂質の健康食品です。なおかつ、必須アミノ酸を全て含むバランスの良さ。タンパク質の不足からくる成人病予防には欠かせません。

ビタミン
 骨の形成に重要なビタミンDを多く含み、カルシウムが骨に吸収されるよう手助けをします。
 また、人はストレスを感じると体内代謝が高まりビタミンを多く消費するので、まさしく現代人の必須食品と言えるでしょう。

かつおぶしペプチド
 海藻にも含まれていたペプチド、かつおぶしにも含まれているんです。ペプチドとはかつおぶしが分解されて出来るもので、血圧の上昇を抑制する働きがあります。
 今では特定健康用食品として認可され、高血圧の人にお薦めの食品として売られています。
 この他にも色々な栄養素が含まれていますが、全てにおいて生のカツオより栄養成分が増えています。

自然の旨味たっぷりのだしをご家庭で

   江戸時代から継承されているかつおぶしからとるだし。今では化学調味料などを加えただしパックが手軽に利用されていますが、自然の旨味だけをぎゅっと凝縮したおいしい天然のだしをとってみましょう。
 おいしいだしのとり方のコツは、煮立てる時間とアクを丁寧にとることです。
基本のだしのとり方
 @ 鰹節の量はお湯の3〜5%。1リットルならば30〜50グラム。
 A お湯が沸騰してからかつおぶしを入れ、すぐに火を弱める。蓋をするのは厳禁。
 B 花かつおなどの薄削りの場合は、1〜2分間煮だす。この時アクを丁寧にとるのがポイント。
   厚削りの場合は、30分ほど煮立て、やはりアクを丁寧にとる。
 C 火を止め、漉す。
 薄削りのものは、1分間煮立てるだけで、旨味の殆どが出てしまうので、それ以上煮立てない。風味豊かな香りが残るので、椀だしに向いています。
 逆に厚削りのものは、長く煮詰める為濃いだしが取れ、煮物などに使うと適しています。
削り節の保存方法
 使い残った削り節は、「酸化」と「揮発」を避けるため、空気を抜いた密封の袋に入れ、冷凍庫で保存するのが最適です。

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