県内中小企業景況天気図

県内中小企業景況天気図　2015年度

2015年11月分～暖冬により売上減

概況

《全国》

内閣府が１２月８日に発表した１１月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は前月比2.1ポイント低下の46.1ポイントとなった。世界的なテロ中国経済停滞の影響はみられるものの、海外からの旅行者増加、燃料価格の低下等から、総合すると、「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済の動向やテロ事件など、海外情勢への懸念がある一方で、観光需要や燃料価格の低下、雇用の改善への期待等がみられる」とまとめられる。

《愛知県》

こうした中で行われた本会の調査では、製造業の在庫数量は5.8ポイント、販売価格は3.9ポイント、収益状況は5.9ポイント、景況感は5.9ポイント増加した。しかし、売上高は5.9ポイント、資金繰りは5.9ポイント、設備操業度は9.8ポイント、雇用人員は5.9ポイント悪化した。取引条件は不変だった。

また、非製造業の取引条件は1.6ポイント、雇用人員は6.5ポイント増加した。しかし、売上高は3.3ポイント、在庫数量は1.6ポイント、販売価格3.3ポイント、収益状況は3.3ポイント、資金繰りは4.9ポイント、景況感は6.5ポイント悪化した。

景況は、製造業と非製造業の差は縮まったが、依然として非製造業が上回る状況が続いている。中国経済の減速に加えて、暖冬の影響による売上の落込みの声も多く、中小企業の先行きは、依然として予断を許さない状況にある。

前年同月との比較

《凡例》
好転 +30≦DI	やや好転 +10≦DI＜+30	変わらず -10＜DI＜+10	やや悪化 -30＜DI≦-10	悪化 DI≦-30

	売上高	在庫数量	販売価格	取引条件	収益状況	資金繰り	操業度	雇用人員	景況
製造業
非製造業							－

《売上高D.I.》

全産業では前年同月に比べ△10.7ポイント（△6.3）となった。産業別にみると、製造業では△13.7ポイント（△7.8）となり、非製造業では△8.2ポイント（△4.9）となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、化学・ゴム、その他非製造業50.0ポイント、輸送機器33.3ポイント、一般機器28.6ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、運輸業△50.0ポイント、窯業・土石製品、その他製造業△40.0ポイントが目立った。

《収益状況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△16.1ポイント（△17.0）となった。産業別にみると、製造業では△19.6ポイント（△25.5）となり、非製造業では△13.1ポイント（△9.8）となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、一般機器14.3ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、木材・木製品、紙・紙加工品、電気機器△50.0ポイント、その他製造業△40.0ポイントが目立った。

《業界の景況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△20.5ポイント（△19.6）となった。産業別にみると、製造業では△23.5ポイント（△29.4）となり、非製造業では△18.0ポイント（△11.5）となった。うち、業種別にみると、プラスポイントは該当なし。マイナスポイントでは、紙・紙加工品、出版・印刷△100.0ポイント、食料品△75.0ポイント、その他非製造業△50.0ポイントが目立った。

※ （　）は、先月の前年同月比のD.I.値

景況の推移グラフ

業界レポート

《製造業》

【愛知県紙器段ボール箱(工)】

年末需要対応を見越して、通年物の在庫を積み増しで操業度は上がっているが、景況は悪い。今年は暖冬の影響で冬物衣料関係の落ち込みが目立つ。またギフト関連の引合いも良くない。

【愛知県高圧ガス(協)】

荷動きは低調に推移しており、単価下落に伴う収益悪化が目立つ。一部好調な組合員はいるが、全体的には厳しい状況。

【大同特殊鋼協力工場(協)】

中国経済の減速に端を発した価格競争が拡散し、鋼材関連市場は混乱状態で、主原材料の資源価格の多くが下落している。

《非製造業》

【名古屋水産卸(協)】

業界として年末商品のイメージを出したいが、日中の気温が２０度を超える日が続き、おでんや鍋の食材が売れない。正月食材も全般的に高値の状態。

【赤帽愛知県軽自動車運送(協)】

年末になっても景気の回復は感じられない。組合員の高齢化と景気の低迷が重なり、事業を廃止して脱退する者が目立って増えてきた。

【弁天通商店街（振）】

温かくて暮らしやすいが、寒い時は寒くないと商品が売れなくて困る。

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