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県内中小企業景況天気図

県内中小企業景況天気図 2014年度

2014年10月分~円安、増税の影響続く

概況

《全国》

内閣府が11月11日に発表した10月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は前月比3.4ポイント低下の44.0ポイントとなり、2か月ぶりに低下した。製造業及び非製造業が弱含んだことや、エネルギー価格の上昇等による物価上昇への懸念等から、総合すると、「景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、エネルギー価格の上昇等による物価上昇への懸念等がみられる。」とまとめられる。

《愛知県》

こうした中で行われた本会の調査では製造業の在庫数量は3.9ポイント、販売価格は3.9ポイント、取引条件は7.8ポイント、収益状況は1.9ポイント、設備操業度は2.0ポイント、雇用人員は1.9ポイント、景況感は7.9ポイント増加した。しかし、売上高は13.7ポイント悪化した。資金繰りは不変だった。

 

また、非製造業の資金繰りは3.2ポイント増加した。しかし、売上高は4.9ポイント、在庫数量は1.7ポイント、販売価格は1.7ポイント、取引条件は6.5ポイント、収益状況は1.7ポイント、雇用人員は4.9ポイント悪化した。景況感は不変だった。

 

景況は一進一退の状況にあるが、円安に伴う原材料費の高騰や燃料価格の高止まりによる収益環境の悪化を懸念する声は依然として多く、中小企業の先行きは、予断を許さない状況である。

前年同月との比較

《凡例》

好転

+30≦DI

好転

やや好転

+10≦DI<+30

やや好転

変わらず

-10<DI<+10

変わらず

やや悪化

-30<DI≦-10

やや悪化

悪化

DI≦-30

悪化

売上高 在庫数量 販売価格 取引条件 収益状況 資金繰り 操業度 雇用人員 景況
製造業 変わらず 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず 変わらず
非製造業 やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず 悪化 やや悪化 やや悪化 悪化

《売上高D.I.》

全産業では前年同月に比べ△12.5ポイント(△3.6)となった。産業別にみると、製造業では△7.8ポイント(5.9)となり、非製造業では△16.4ポイント(△11.5)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、電気機器100.0ポイント、その他非製造業50.0ポイント、鉄鋼・金属22.2ポイントが目立った。マイナスポイントでは、木材・木製品、出版・印刷△100.0ポイント、食料品△75.0ポイント、紙・紙加工品△50.0ポイントが目立った。

《収益状況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△30.4ポイント(△30.4)となった。産業別にみると、製造業では△27.5ポイント(△29.4)となり、非製造業では△32.8ポイント(△31.1)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、電気機器50.0ポイント、鉄鋼・金属11.1ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、窯業・土石製品△80.0ポイント、食料品△75.0ポイントが目立った。

《業界の景況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△21.4ポイント(△25.0)となった。産業別にみると、製造業では△7.8ポイント(△15.7)となり、非製造業では△32.8ポイント(△32.8)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントは、電気機器100.0ポイント、鉄鋼・金属22.2ポイント、一般機器14.3ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、食料品、紙・紙加工品、小売業、運輸業△50.0ポイント、卸売業△33.3ポイントが目立った。

※ ( )は、先月の前年同月比のD.I.値

景況の推移グラフ

業界レポート

《製造業》

【愛知県紙器段ボール箱(工)】

年度当初から続く駆け込み需要の反動や夏場の天候不順による影響がまだまだ続いている。一方で、年末商戦へ向けて需要期入りしたためか、荷動きが活発化し始め、少し明るい兆しが出てきた。

【愛知県高圧ガス(協)】

過度に進んだ円安の影響で、燃料代等のエネルギーコスト上昇分が価格転嫁できず、採算悪化が顕著である。

【東海配電盤工業(協)】

どの組合員も受注の前年比増が続いている。中には前年比200%の組合員もあるにもかかわらず、受注価格は上がらない。これ以上の受注をすれば人件費等のコストの増加につながり、また、納期に間に合わなくなり、断らざるを得ない状況にある。

《非製造業》

【愛知文紙事務器卸(協)】

消費増税後の反動減の影響が長引いている。消費者の購入マインドがなかなか上昇してこない。

【愛知県電機(商)】

10月も夏場以降の不振から改善の様子は見られない。対前年比90%程度であるが、実態はもっと悪い景況感を持っている。消費税率10%への増税の有無がはっきりしてから商品が動くのではとの見方もあり、年末商戦は予測がつかないが小物商品中心に動きは出てきている。