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県内中小企業景況天気図

県内中小企業景況天気図 2015年度

2015年10月分~中国経済の影響大

概況

《全国》

 内閣府が11月10日に発表した10月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は前月比0.7ポイント上昇の48.2ポイントとなった。中国経済に係る動向の影響はみられるものの、物価上昇や年末年始へ向けたイベントへの期待感等から、総合すると、「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、冬のボーナスへの期待等がみられるものの、中国経済の情勢や物価上昇への懸念等がみられる」とまとめられる。

《愛知県》

こうした中で行われた本会の調査では、製造業の売上高は17.7ポイント、取引条件は1.9ポイント、収益状況は2.0ポイント、資金繰りは4.0ポイント、設備操業度は9.8ポイント増加した。しかし、販売価格は5.9ポイント、雇用人員は3.9ポイント、景況感は1.9ポイント悪化した。在庫数量は不変だった。

 

また、非製造業の売上高は11.5ポイント、取引条件は1.7ポイント、収益状況は13.2ポイント、資金繰りは11.4ポイント、雇用人員は1.7ポイント、景況感は11.5ポイント増加した。しかし、在庫数量は3.3ポイント悪化した。販売価格は不変だった。

 

景況は、製造業が非製造業を上回ることが多かったが、3ヶ月連続で逆転する結果となり、10月はさらに差が広がった。非製造業は前月に比べ好転となったが、製造業・非製造業ともに中国経済の減速やTPP等への不安の声が多く、引き続き中小企業の先行きは注視していく必要がある。

前年同月との比較

《凡例》

好転

+30≦DI

好転

やや好転

+10≦DI<+30

やや好転

変わらず

-10<DI<+10

変わらず

やや悪化

-30<DI≦-10

やや悪化

悪化

DI≦-30

悪化

売上高 在庫数量 販売価格 取引条件 収益状況 資金繰り 操業度 雇用人員 景況
製造業 変わらず 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化
非製造業 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 変わらず 変わらず やや悪化 やや悪化

《売上高D.I.》

全産業では前年同月に比べ△6.3ポイント(△20.5)となった。産業別にみると、製造業では△7.8ポイント(△25.5)となり、非製造業では△4.9ポイント(△16.4)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、化学・ゴム50.0ポイント、商店街28.6ポイント、鉄鋼・金属22.2ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、食料品、小売業△50.0ポイント、繊維工業、運輸業△25.0ポイントが目立った。

《収益状況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△17.0ポイント(△25.0)となった。産業別にみると、製造業では△25.5ポイント(△27.5)となり、非製造業では△9.8ポイント(△23.0)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、一般機器14.3ポイント、建設業10.0ポイント、サービス業9.1ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、食料品、木材・木製品、紙・紙加工品、電気機器△50.0ポイント、小売業△41.7ポイントが目立った。

《業界の景況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△19.6ポイント(△25.0)となった。産業別にみると、製造業では△29.4ポイント(△27.5)となり、非製造業では△11.5ポイント(△23.0)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントは建設業10.0ポイント、サービス業9.1ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷△100.0ポイント、食料品△75.0ポイント、木材・木製品、電気機器△50.0ポイントが目立った。

※ ( )は、先月の前年同月比のD.I.値

景況の推移グラフ

業界レポート

《製造業》

【中部繊維ロープ工業(協)】

中国の景気の減速により、前年対比売上高98.8%、月末在庫93.6%で推移している。原材料については原油安によるナフサの値下がりにより値下がりしている。今後については、TPP関連業種先の動向いかんにより変化すると感じる。

【中部金属熱処理(協)】

中国経済不振の影響と思われる受注減が自動車関連に及んでいる。

【ナゴヤ西部機械(協)】

取引業種によりバラツキが見られる。世界の動きとは直接的な関係は少ないものの、中国の減速が全体的に景況感を悪化させていると思われる。

《非製造業》

【瀬戸陶磁器卸商業(協)】

陶磁器はTPP発効により関税が撤廃となる見込みであり、現在輸出は少なく恩恵は望めない。工業製品を主とした輸出産業との格差はますます広がる。恩恵の無い産業やマイナスになる産業の振興策を考慮してほしい。

【三河アスコン(協)】

10月は天候も安定し、着工も順調で稼働日数も増加した。これにより交通整理のガードマン不足に拍車がかかり確保に四苦八苦の状態。この状況は3月初旬まで続くと思われる。