愛知県貨物運送協同組合連合会

協同組合設立を目指しての「説明会」(第2回)を開催

 愛貨協連「会員拡大委員会」は、平成18年8月8日の第1回説明会に続き、第2回目として11月8日(水)、愛知県トラック会館において協同組合未加入の愛ト協会員を対象にして「新しい協同組合の設立を目指して」の説明会を開催した。

 出席した未加入会員は、5社(名古屋第三支部1社、尾西支部2社、知多支部1社、東三支部1社)。

 冒頭、高村博三同委員会委員長が下記の通り挨拶をした。

「前回の説明会では、約20社がご出席され、協同組合とはそもそもどのような組織なのか、どのような事業をしているのか、協同組合に入るには、新しくつくるには、といったことをご説明しました。今回は5名のご出席となりましたが、協同組合設立に意欲を持たれている方々ではないかと思います。皆様方と“膝を交えてお話しできる”ように、また意見交換やご質問にもお答えできるように、急遽会場を変更しての説明会とさせていただいた次第です。そして、本日は協同組合の設立に的を絞ってご説明をいたします。協同組合の指導機関である愛知県中小企業団体中央会、ならびに全国のトラック運送事業協同組合の中央団体であります日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)からも説明のためご出席いただいておりますので、皆様方からの色んなご質問等をいただきまして有意義な説明会となるようにと思っております。」

「説明会」要点

1.協同組合制度について

 愛知県中小企業団体中央会 水野業務部長・稲田組織連携課長より説明

(1)事業協同組合と株式会社(有限会社)との比較
  事業協同組合 会社
目的 組合員の経営の近代化・合理化・経済活動の機会の確保 利益追求
事業 組合員の事業を支援する共同事業 定款に掲げる事業
資格 地区内の中小企業者 無制限
責任 有限責任 有限責任
発起人数 4人以上 1人以上
加入脱退 自由 株式の譲渡・増資等による
出資限度 100分の25 なし
議決権 平等(1人1票) 出資別(1株1票)

(2)組合に対する助成
  • 金融上の助成〜商工中金からの融資、高度化資金(長期・低利)の利用
  • 税の減免〜法人税22%課税等
  • その他、全国中央会の各種助成制度が受けられる

2.新しく設立する協同組合像の提示

 愛貨協連事務局より提案。

名称 愛知県トラック事業協同組合
地区 愛知県全域
組合員 11社
出資金 1社10万円
賦課金 1社1カ月5千円(ただし初年度に限り1万円)
事業
  1. KIT事業〜パソコンを利用しインターネットによる求荷・求車制度
  2. 高速道路割引制度の利用〜「大口・多頻度」制度は初年度不可
  3. 軽油の共同購入〜当面は不可。日貨協連の全国給油カード利用可能

 上記の協同組合内容(概要)から、初年度・次年度の事業計画、資金計画、収支予算について説明をした。

3.KIT事業について

 日本貨物運送協同組合連合会 二宮大蔵専務理事より説明。

《WebKITとは》
 「荷物」や「車両」の情報を、インターネットを通じて会員に公開し、組合せを行うシステムの名称。
 全日本トラック協会が開発し日貨協連が運営するもので、唯一業界団体により開発・運営される求荷求車情報ネットワークであり、いまや業界の標準システムとなっている。
 平成3年のネットワークKITを基とし、平成16年にはインターネット化し現名称となった。
《WebKIT加入状況と情報件数》
 平成18年10月末現在の加入状況は、協同組合数が140、事業者数1,287、合計端末数=パソコン数が1,752となっている。
 荷物情報、車両情報とも前年を大きく上回るペースで伸長しているが、とくに、最近の景況を反映して荷物情報(求車)件数が増大しており、10月末には2万4千件となっている。
《WebKITの特長と利用メリット》
 利用者は、WebKIT加入組合の組合員でかつトラック協会会員に限定されているとともに、WebKIT上の取引はすべてこの組合を通じて精算されるので安心である。
 WebKIT利用料は、月額1000円の低額(2つ目のIDからは500円)。
 安全・安心の保険制度(取引信用保険・貨物保険)が用意されている。
 輸送需要動向や運賃市況がインターネットで「いつでも」「どこでも」把握できる。
 運行効率の向上・収益アップにつながる。
 顧客へのサービス向上、新たな同業者ネットワークの構築が図られる。
 その他、経営者にとっても、荷物を提供する側・車両を提供する側にとってもさまざまの利用メリットが見込まれる。
《WebKITへの加入》
 トラック運送事業者で、トラック協会に加盟し、WebKIT加入協同組合の組合員であれば、組合から「日貨協連ネットワークキット事業委員会」に加入の申請をします。

質疑と高速道路利用等の現状

 説明会終了後は、双方からの質問と回答、参加事業者の現状等の報告があった。

Q: 例えば、本日発起人が決定した場合、協同組合設立登記までにはどの程度の時間が必要となりますか。
A: 最短の期間で約2カ月かかります。
Q: 組合設立には4人以上の発起人が必要とのことですが、会社の場合は4社と読み替えていいのですか。
A: そのように考えてください。
Q: 高速道路料金「大口・多頻度割引制度」を利用したときの保証金はいくらか、またその方法はどうすればよいか。
A: 最初にこの制度を利用するときには、月間予想利用金額の4倍の保証金を現金でもって積むか、銀行保証をしてもらうかです。2年後の次回更新のときには保証金は3倍で済みます。
【高速道路料金割引制度について】
参加5社の制度利用の内訳は、「大口・多頻度」=2社(いわゆる異業種組合を利用)、「マイレージ」=2社、高速道路は利用していない=1社。
4社平均の高速道路月間利用額は150万円程度。
仮にこの参加5社による組合設立ができれば、「大口・多頻度」制度の要件が満たされることになる。
【興味を感じている組合事業】
KIT事業に対する関心が3社となっている。高速道路料金制度や軽油の購入については、組合設立してもすぐには利用できない可能性が高いことを考えれば組合設立の支障にはならない。
【補足:日貨協連の全国共通給油カードについて】
日貨協連では、来年度にはスタートする「全国共通給油カード」を検討中です。スケールメリットを活かし、より安い軽油が提供できるようにしたいと考えています。現在提携するスタンド先の選定作業を進めているところです。

 このように、協同組合設立の機運は一段と高まってきたものと理解できます。次回の説明会においては、“協同組合設立準備会”としてさらに進めてゆく予定です。




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